メールアートとは? 郵便で広がるアートの歴史と現代的魅力
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メールアートとは何か?
**メールアート(Mail Art)**は、郵便を使って作品をやり取りするアートの形式です。封筒、はがき、切手、スタンプなどすべてが作品となり、作品の「送付そのもの」がアートの一部とみなされます。
商業目的ではなく、アーティストや一般人が自由に表現を交換する、極めて開かれたネットワーク型のアートです。
メールアートの歴史と代表的作家
レイ・ジョンソン(Ray Johnson)
メールアートの創始者的存在。1962年に「ニューヨーク・コレスポンデンス・スクール」を立ち上げ、アーティスト同士の郵便による交流を芸術に昇華させました。
嶋本昭三(日本)
具体美術協会の中心人物であり、1950年代から機関紙を郵送するなど、メールアート的実践を展開。
河原温(On Kawara)
「I GOT UP」シリーズでは、毎朝の起床時刻を記したハガキを世界各地の人物に送り続け、コンセプチュアル・アートとして評価されています。
メールアートの特徴と哲学
特徴 | 解説 |
---|---|
📮 郵便がメディア | 封筒、切手、住所、消印すべてが作品の一部 |
🤝 誰でも参加可能 | 美術の専門教育がなくてもOK |
🏛 制度の外で自由に | 美術館・ギャラリーに依存せず展開 |
🌐 国際的ネットワーク | 郵便を通じて世界中のアーティストとつながる |
現代におけるメールアートの意義
SNSやNFTなどのデジタルアートが台頭する中でも、メールアートは「物質的なつながり」に重きを置く表現として再評価されています。
たとえば、新潟県の【大地の芸術祭】では「世界をつなぐメールアート・プロジェクト」が開催され、国内外から数千点の作品が郵送されました。
ART&DAYが扱うメールアート作品とは?
ART&DAYでは、以下のようなメールアート的感性を持つ作品を扱っています:
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マシュー・ローズ
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Laurece GILPT
まとめ|届けることが作品になる、もう一つのアートのかたち
メールアートは、作品を「展示する」ではなく「届ける」という行為そのものを作品化します。
誰かに届く、見知らぬ人とつながる。それは、現代にこそ必要とされるアートの価値なのかもしれません。